四角形に内接する長方形を描く
問題
四角形ABCDに内接し,直線mと平行な辺を有する長方形を作図せよ.
解法
- Aを通りmに平行な直線xと垂直な直線yを引く.
- xとCDとの交点をCxとする.Cxを通りyに平行な直線を引き,BCとの交点をEとする.
- Bを通りyに平行な直線を引く.その際,その線と交わるように適宜AD,CDを延長する.これとxとの交点をBxとする.
-
前で引いた直線とAD,CDとの交点を通るxに平行な直線を引く.それらの線とyとの交点をそれぞれX0,X1とする.
- CxEの長さを取り,Aからの距離がその長さである点Fをx上に置く.右でも左でもよいが,以後点を置く側は統一する必要がある.
- BxBの長さを取り,X0,X1からの距離がその長さである点G,Hをそれぞれ取る.
- FHとAGが交わる点を通り,xと平行な直線が,求める四角形の一辺となる.
からくり
これらの操作は,xを基線とし,立面図がAB,平面図がADの直線と,立面図がBC,平面図がDCの直線両方と交わる,投象軸と平行な直線を求める操作である.yは副基線になっており,真横から見て交わる点を求めているのである.そう考えればこの長方形が一意に存在することもわかる.
このように平面図形の問題を立体に起こして考えるのは面白い.
n階導関数を極限で表す
主張
と表される.
証明
nに関する数学的帰納法で示す.
のとき,式(1)は
となり成立.nのとき成立するとして,n+1階微分を考えると,
ここで帰納法の仮定を利用して,
これは2変数関数の2重極限の表式であり,本来はこの極限が存在するかどうかも調べなければならないのだが,この極限が存在するとすればどういった式になるかということを考えたいので,何も考えず2変数をくっつけてしまう.として,一変数の極限にしてしまう.
式(2)の,2番目の総和において,インデックスをと変更する.
こうすることで式(2)の1番目の総和と足し合わせることができる.二項係数の性質を用いて,式(2)を変形すると,
が得られる.のときは足せないが,この総和に組み込めることは簡単に確認できる.
(1+微小量)の無限積
証明
次の不等式を使う。
右側は特に問題はないのだが、左側に関してはより小さいと成り立たないがここでは十分に0に近いで使うので問題はない。
とおくと
とするとでだから、先ほどの不等式が使えて
それぞれからまで足し合わせて
高校で習う区分求積法の考えにより
なので
が普通の関数だといったのは区分求積法を考えるとき不都合が起きないようにするためであった。
使用例
最後に
今回評価に用いた不等式は、簡単ではあるもののがあまり大きいと成り立たないという点で多少ぶさいくである。もっときれいな方法がないものか。